遊び場仲��

近所の仲��

・仲町は大きな店が並んでいた地域であったが、結構子供が多い町内だったが、不思議なことに、ごく近所には一年上、二年上の人がおらず、遊び友達はみな年下だった。
　とくに「あっちゃん」、「ひろっちゃん」と良く遊んだ。　二人とも二年下だった。
　
　この二人とは、上記の野球より、「あっちゃん」の家に集まって話を良くした印象の方が強い。　泊りに行った事も何回もあった。
　夏は物干しだったか、屋根だったか、川の字になって寝そべり色々の話をした。　当時、猿橋の星空は天ノ川がはっきり見えるほどきれいで、流れ星を追いながら話し込んでいた。
　小学校高学年で、同級生でもなかった３人、一体何を話していたのだろうか。

　大晦日の夜は夕食の後に志村宅に集まり、子供忘年会をやった。
　最後になった年には、小遣いを出し合い、日之出屋で赤玉ポートワインを一本買って飲んだ。　
　この「赤玉」、ノンアルコールだったかどうか？　そうではなかった気がする。
　近くにブドウの産地があり、ぶどう酒が割合身近にあったので、「葡萄酒」は大目に見られたのかも知れない。

　この「あっちゃん」は、後に殿上の方に新築移転して大きくなった鉄工所の跡を継ぎ社長を勤めていた。　　
　今も健在で猿橋の有力者の一人である。
　「あっちゃん」の弟「やすひろ」ちゃん（志村康洋）は私の弟と同年だからだいぶ年下。あの頃は上述のように「みそっかす」扱いだった。
　長じて京王プラザホテルの社長になり、日本ホテル協会の会長になった町内の出世頭である。

・「ひろっちゃん」は梅沢薬局の息子だ。彼のその後のことは聞いていない。コロナが収束したら是非猿橋へ帰り、彼の消息を聞きたいものだ。

　　　　ひろっちゃんの消息がわかった。大野廣さん。
　　　　何とアメリカに住んで居た。
　　　　若い頃にアメリカに渡り、ニューヨークで印刷会社を経営していたという。
　　　　引退後はお子さんの住んでいる西海岸に移住、現在はユタ州に住んでいる。
　　　　ニューヨークには何回も行っていたので、知っていたら現地で会えたのに・・・。

　　　　zoomによるリモート会議でひろっちゃんと再会した。６５年ぶりだ。
　　　　アメリカで成功をおさめ、今はすっかりアメリカ市民になって悠々自適の生活をしている。
　　　　日本で懸念している「もしトラ」（トランプ大統領の再登場）の実現が望ましいと、強く説いている。
　　　　我々はいつの間にかマスコミの影響を受けて、トランプ復活を「禍（わざわい）」のように考えてしまう傾向があるが、
　　　　アメリカにはこの復活を願う国民が半数近くる現実を考えずにはいられない。
　　　　
・「七郎ちゃん」は隣りの山口家の名前どおり七男。年はひとつ下だった。
　家は３階建てのお蔵で、古い刀が何本もあった。
　この一家は東京に住んでいたが、戦争で疎開し、親戚幡野家のお蔵を借りて住み始めたようだ。
　子沢山で必ずしも生活は楽ではなかったようだが、子供は皆当たり前のように大学へ行く「知的」な一家だった。
　兄弟の一人が戦後アメリカで宣教師をしており、年末になると色々めずらしいものを送って来て、我家も多少恩恵にあずかった覚がある。
　七郎ちゃんは何となく我々の遊び仲�閧ﾉは入らなかった子供だった。　最近なくなった、と聞いたが確かな事はわからない。。　　

　　右が七郎ちゃん。後は弟の勉
　
「あやちゃん」は隣り（大家）の長女。　確か２才下、スラっとした美人だった。長じて「あっちゃん」と結婚したと聞いたときは驚いたが、「成程な」と祝福する思いだった。
　久しく会っていない。
　　　　→猿橋アーカイブスの展示会に来てくれた。　まだ若い！！
　あやちゃんの下に妹の梢ちゃん、弟の人（ひとし）ちゃんがいた。　
　私達兄弟にとっては「大家」のお嬢さん、お坊ちゃんではあるが、今も酒席を囲むつき合いをさせていただいている。
　特に人ちゃんは茅ヶ崎に住みながら、一緒に「猿橋アーカイブス」の行事には欠かさず参加してくれて、まさに我々の兄弟のようなつき合いをしてくれている。